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ChatGPTの「Connectors」:次世代のデジタル連携を実現する革新的な機能

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こんにちは、GDX株式会社のAIリサーチ担当です。

2025年にOpenAIが導入した新機能「Connectors(コネクターズ)」は、ChatGPTをこれまで以上に業務の中核ツールへと変貌させる画期的なアップデートです。この記事では、OpenAI公式ヘルプページ「Connectors in ChatGPT」をベースに、Connectorsの全体像、機能、ユースケース、そして企業活用の可能性について詳細に解説します。


はじめに

生成AIのビジネス活用が進む中で、最大の課題は「情報の孤島化」です。異なるツールやサービスに分散したデータを統合し、AIに理解・活用させるための手段として登場したのが、「Connectors」です。この機能を活用することで、ChatGPTは単なる会話AIから、社内データに基づいた“業務実行型AI”へと進化します。

https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt


Connectorsとは何か?

Connectorsとは、ChatGPTが外部のビジネスアプリケーションやデータソースと直接つながり、自然言語を通じてそれらのサービスから情報を取得・操作できる機能です。現時点での対応サービスは以下のとおりです:

  • Google Drive

  • Microsoft OneDrive

  • SharePoint

  • Asana など

これにより、ユーザーはたとえば「Slackで山田さんが送ってくれた最新の議事録を探して」「Google Driveの見積書ファイルをまとめて」などの指示を、ChatGPTを通じて実行できます。

https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt


仕組みと導入方法

ConnectorsはChatGPTの「ファイル」タブから簡単に追加・接続できます。ユーザーは数回のクリックでアプリケーションのOAuth認証を通じてアカウントを連携し、ChatGPTとの接続を確立します。接続後、ChatGPTは連携されたサービス内のコンテンツを「検索可能な情報源」として活用できるようになります。

設定後は、チャット画面上で特別なプロンプトを使わずとも、通常の会話の中で「Driveの資料を探す」「Slackのメッセージを参照する」などの指示が可能になります。

https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt


利用可能なプランと制限

Connectorsは、ChatGPT EnterpriseおよびChatGPT Teamのユーザーに提供されています。無料プランやChatGPT Plusプランでは利用できません。組織の管理者がOpenAIの管理コンソールからConnectorsの使用を有効にし、各ユーザーが許可された範囲で接続できるよう設定します。

また、セキュリティとプライバシーに配慮されており、GPTはユーザーの権限に応じて情報へのアクセスを制限します。検索や操作が可能なのは、あくまでもそのユーザーがアクセス権限を持つファイルやデータのみです。

https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt


代表的なユースケース

1. 情報の横断検索

たとえば、営業チームの担当者が「この取引先とのやり取りを確認したい」と思ったとき、SlackやSalesforce、Notionにまたがる情報を手動で探す必要はありません。ChatGPTに尋ねるだけで、対象の情報を横断的に検索し、要約して提示してくれます。

2. 資料の要約・分析

Google Driveに格納された提案書や会議資料をChatGPTに読み込ませ、要点をまとめたり、比較表を自動生成させたりすることも可能です。これは調査業務や企画業務において大きな時間削減効果を発揮します。

3. タスク自動化

今後予定されているアップデートでは、Zapierなどのツールと連携して「条件を満たしたら自動でJiraチケットを作成する」といった自動化も可能になります。

https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt


セキュリティとガバナンスの強化

Connectorsは「エンタープライズ環境で安心して使えること」が設計思想の中心にあります。具体的には:

  • アクセス制御:ユーザー単位・役割単位で接続アプリやアクセス範囲を制限可能

  • ログ記録:管理者は誰が何を接続し、どのデータにアクセスしたかを確認可能

  • データ保護:OpenAIはConnectors経由で取得したデータをトレーニングに使用しないと明言

このように、企業のITガバナンスに沿った形で安全に活用できるようになっています。

https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt


今後の展望

現時点では「検索・要約」が中心ですが、将来的には「情報の更新・投稿」までが可能となる見込みです。たとえばChatGPTに「Slackで上司に報告して」「Jiraのタスクを更新して」といった“指示系”の操作も自然言語で行えるようになるとされています。

これにより、ChatGPTはもはや「知識を提供するAI」から「行動を実行するAI」へと進化します。組織全体の生産性を飛躍的に向上させる「AIエージェント」としての立ち位置がより明確になります。

https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt


おわりに

ChatGPTのConnectors機能は、AIが業務プロセスに深く入り込み、実務をサポートするフェーズへの第一歩です。企業にとっては、分散する情報の可視化・活用・自動化を実現するための中核機能となり得るでしょう。GDX株式会社でも、こうしたテクノロジーをいち早く取り入れ、業務の高度化と効率化を進めてまいります。